アガットコンサルティングの理念

経理が変われば会社は変わるのか?

「営業が変われば会社は変わる」という言葉は理解しやすいでしょう。営業が良い方向に変われば、売上が向上し、会社の収益力が向上し、巡り巡って賃金も向上し、経営者・従業員・投資家等会社を取り巻くすべての人々を豊かにする方向に会社は変わっていくことが想像できます。

「製造部門が変われば会社は変わる」という言葉も理解しやすいでしょう。会社が製造する商品の品質が向上すれば、商品の競争力が向上し、会社の収益力が向上し、巡り巡って会社を取り巻くすべての人々を豊かにする方向に会社は変わっていくことが想像できます。

では、「経理が変われば会社は変わる」という言葉はどうでしょうか?
経理が良い方向に変わっても、会社が良い方向へと変化するストーリーは、想像しづらいようです。
なぜでしょうか?

それは、経理が会社の中で一番の「縁の下の力持ち」だからです。経理を良い方向に変えても、直接的に売上の向上や、収益力の向上に寄与せず、会社を良い方向に変えるということは難しいと思われがちです。
しかし、確実に「経理が変われば会社は変わる」のです。経理部は、会社経営、特に経営者や投資家の意思決定にダイレクトに変化を与え、会社を大きく変える重要な部署です。
理解されなくても地道に会社を支えている人たちの小さな声に耳を傾け、大きく会社を変えることが我々アガットコンサルティングの使命だと考えています。

日常業務と決算業務

経理部の業務は、一般的に「会社の活動を金銭価値に置き換えてそれを記録(記帳)する」と理解されています。
具体的には、会社の活動を数値で把握し、それを集計して、決算書を作成する。税務申告書を作成し税務申告を行う。上場企業の場合はさらに、有価証券報告書を作成して決算内容を開示する。
しかし、これらは経理業務の一面でしかありません。

では、本当の経理部の業務とは何でしょうか?
まず、我々は、経理部の業務を日常業務と決算業務の2つに分けて考えています。

日常業務と決算業務の違い

日常業務は、日々会社で起こる事象を数値で測定・評価し、それを会計仕訳という形で記録することが主な業務です。また、それに伴い債権債務等の管理も行います。すなわち、日常業務は、「測定」・「評価」・「記録」・「管理」する業務であると言えます。

決算業務は、本質的に「文書化」して「報告」する業務です。決算整理仕訳や連結仕訳などの決算業務特有の作業の本質も文書化して報告するための情報の整理(アウトプット)の一部に過ぎません。

日常業務を効率化するには、測定・評価・記録・管理の効率化を実施することです。これらの改善範囲は経理部内に限らず組織全体を巻き込むことが多く、一般に多大なコストや時間を要するのが通常です。
EX:業務フローの改善、情報システム(IT)の改善、人的配置の改善等

決算業務を効率化するには、文書化して報告する業務を改善する独特の施策が必要です。

経理部は情報製造業

では、日常業務と決算業務の2つを行う経理部の本当の役割とは何でしょうか?

  • 1. 会社経営全体の中枢となる情報を集中的に把握し、
  • 2. これらの情報を適切に加工し、
  • 3. 適時に経営者や各部門、社外の各利害関係者に情報発信することです。

つまり、経理部の本当の役割は情報製造業と言えます。

経理部の影響力

もし、経営者に発信する情報が適切でない・遅延するならば、経営者は重要な経営判断を誤り、会社経営を危うくします。
不適切な情報をもとに各部門の部門長が部門運営をするならば、会社の業績は伸び悩むことでしょう。
会社の真の姿を適切に外部投資家に伝えなければ、適切な投資ができないばかりか、会社の社会的信用を毀損する可能性すらあります。

経理部が、経理的な情報を収集、処理することだけに多くの時間と労力を費やすならば、情報発信という重大な使命を果たすことができなくなり、会社をマイナスの方向に変えてしまいます。

つまり、経理部は、適時・適切に情報を「収集」し、それを「加工」し、「発信」することで、会社をプラスの方向に変えなくてはなりません。

では、具体的にどのように変わるのでしょうか?

会社はどう変わるのか?

適時・適切に経営者にKPI(重要な経営指標)を報告できれば、経営者は適切な経営判断を行うことができるでしょう。
適時・適切に経営企画部に実績分析情報を報告できれば、適切な戦略立案に利用されるでしょう。
適時・適切に投資家に会社の真の情報を報告できれば、安定した社会的信用と新たな投資を生むことになるでしょう。

情報収集手法が合理化されることにより、各部門や従業員、子会社は不必要な作業から開放され、業務効率が向上し、全体最適の観点から管理コストが減少する効果も期待することができるでしょう。
これらは、まさに経理部の利益貢献です。

経理部は、受動的な間接部門というイメージが定着しており、「経理を変えると会社は変わる」という言葉に違和感を覚える人が多いのは事実です。
しかし、経理部が情報収集手法を効率化することや、適時・適切に情報を発信することにより、会社全体の運営をプラスの方向に変えることができるのです。

経理部が変われば会社は大きく変わるのです。