上場申請する会社は、取締役、取締役会、監査役、監査役会、委員会といった機関が、その職務の執行が法令・定款に適合するための体制整備と、会社の業務の適正を確保するための体制整備が求められます(会社法第348条4項、第362条5項、第416条1項1号ホ及び施行規則第98条、第100条、第112条)。
また、各証券取引所は新規に上場申請し承認を受けた会社に対し、有価証券上場規程により「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」と「独立役員届出書」の提出を求め、それを証券取引所のホームページで公開しています。
コーポレート・ガバナンスに関する報告書に記載されるのは以下の内容です。
2と4の項目はⅡの部に「コーポレート・ガバナンス等」という項目があります。また、Ⅰの部(有価証券届出書)にも「コーポレート・ガバナンスの状況」として開示が求められています。なお、これは上場審査における社長面談などで質問される項目でもあります。
これらは会社法が株式会社に求める内容とほぼ同様であり、経営管理体制が上場会社にふさわしいものとして整備されているかが審査されることを意味しています。
独立役員届出書に記載されるのは以下の内容です。
独立役員とは、一般株主と利益相反が生じる恐れのない社外取締役、または社外監査役のことです。有価証券上場規程の企業行動規範では実効性確保手段の対象となる「遵守すべき事項」として、独立役員を1名以上確保しなければならない旨を規定しています。
証券取引所が遵守状況を確認するとともに、手続きの透明性を確保するという意味で、証券取引所のホームページで公表されています。
最近上場した会社や同業他社、同規模の会社などの「コーポレート・ガバナンスの状況」「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」「独立役員届出書」の内容を分析することも重要です。そうすることで自社にふさわしい内部統制システムなどのコーポレート・ガバナンス体制を構築し、投資者にわかりやすく説明する努力も必要となります。
株式上場に際して、やるべき業務は多岐にわたります。
対応すべき事項は相当のボリュームになることも多く、解決までに時間を要する事が多くあります。
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