IPO支援情報

監査法人(公認会計士)の監査

「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部・Ⅱの部)」は、上場申請時に提出書類で非常に重要な役割を持った書類だと言えます。「Ⅰの部」に記載する財務諸表などには、上場会社監査事務所の審査結果について監査報告書を添付し、提出する必要があります。
また、四半期報告書制度には、上場会社監査事務所の公認会計士などによる四半期レビュー報告書が必要となり、東証の「新規上場申請のための四半期報告書」の作成では、市場区分で要否が変わってきます。
監査契約締結の時期については、その受託に先立って実施される予備調査またはショートレビューを受け、株式を上場するにあたっての問題点を把握し改善計画を立てたうえで、会計制度を整備するため、可能な限り早い段階で監査契約を結ぶことが望ましいです。

監査報告書が必要となる対象期間

連結財務諸表 最近2年分
個別財務諸表 最近2年分
四半期連結財務諸表 申請期
四半期財務諸表 申請期
「新規上場申請のための四半期報告書」の作成の要否
  直前期 申請期
1Q 2Q 3Q 1Q 2Q 3Q
東証本則 ×
(※1)
×
(※1)
×
(※1)

(※2)

(※2)
マザーズ ×
×
×

(※2)

(※2)
JASDAQ ×
×
×

(※3)

(※3)

(※3)
  • ※1 平成25年7月の市場統合に伴う改正によって作成不要となった
  • ※2 6ヶ月経過後は1Q、2Qが必要
    9ヶ月経過は1Q、2Q、3Qが必要
  • ※3 Ⅰの部に直近の四半期財務諸表などを記載している場合は不要
    Ⅰの部に直近の四半期財務諸表などを記載していない場合、3ヶ月を経過し6ヶ月を経過していない場合は1Qのみ、6ヶ月を経過し9ヶ月を経過してない場合は2Qのみ、9ヶ月を経過している場合は3Qのみ
新規上場申請のための四半期報告書を提出する根拠規定など
  • 東京本則市場
    有価証券上場規定 第204条第5項
    有価証券上場規程施行規則 第206条(9)
  • マザーズ市場
    有価証券上場規程 第211条第5項
    有価証券上場規程施行規則 第221条(第206条(9)を準用)
  • JASDAQ市場
    価証券上場規程 第216条の2第5項
    有価証券上場規程施行規則 第229条の5(第206条(9)を読み替え後準用)

監査意見の内容について

会計監査人が監査報告で表明する意見の内容には、下記の4種類があります。

  • 無限定適正意見
    財務諸表などが、財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を、すべての重要な点において適正に表示されている場合に表明されます。
  • 除外事項を付した限定付適正意見
    財務諸表などが、除外事項を除き適正に表示されている場合に表明されます。
  • 不適正意見
    財務諸表などが不適正である場合に表明されます。
  • 意見不表明
    会計記録が不十分、監査証拠が入手できないといった場合に、監査意見を表明しないことです。
四半期財務諸表に対する結論

四半期レビュー報告の結論の種類は下表のとおりです。

  除外の程度 結論の種類 参考:監査意見の種類
無限定の結論 無限定適正意見
結論に関する除外 重要 限定付結論 限定付適正意見
非常に重要 否定的結論 不適正意見
レビュー範囲の制約 重要 限定付結論 限定付適正意見
非常に重要 結論の不表明 意見不表明

監査意見に対する考え方について

下表の意見について、いずれも虚偽記載がないことが要件です。

期間 意見
2年前 限定付適正あるいは無限定適正
直前期 無限定適正
四半期会計期間 無限定の結論
  • ※申請会社が最近1年間または上場申請日の属する事業年度の初日以後において申請会社の総資産、純資産、売上高、利益について20%以上の影響を与える合併、会社分割、営業の譲受けあるいは譲渡(子会社が行っている場合も含む)を行っている場合、被合併会社の財務諸表など(監査証明あるいは意見表明)が必要となる。
    また、新規上場申請に係る株券などが国内のほかの金融商品取引所に上場されている場合、以下に該当しないことも必要となる。
    • 最近1年間に終了する事業年度に係る内部統制報告書において「評価結果を表明できない」旨が記載されていること
    • 最近1年間に終了する事業年度に係る内部統制報告書に添付される内部統制監査報告書において「意見の表明をしない」旨が記載されていること

第1章『IPOの基礎』

第2章『上場前に留意すべき事柄』

第3章『上場の概要』

第4章『JASDAQ上場について』

第5章『マザーズ上場について』

第6章『株式上場関係書類について』

第7章『上場後に留意すべき事柄』

アガットコンサルティングが提供するサービス

株式上場に際して、やるべき業務は多岐にわたります。
対応すべき事項は相当のボリュームになることも多く、解決までに時間を要する事が多くあります。
アガットコンサルティングが「株式上場準備」をお手伝いします。

株式公開を実施するうえでの問題点の抽出から、必要な管理体制の整備、実際の申請書類作成に至るまでを一貫して支援します。

内部統制にかかる現状調査から体制の整備・構築支援、その評価作業に至るまで、あらゆる立場からの実行を支援します。