上場にあたり上場申請書類や有価証券届出書、目論見書などの提出データを作成する必要があります。作成には専門的な知識が必要であることに留意しておく必要があります。
上場審査の中心になる資料を以下に示します。
東京証券取引所 | 本則市場 | 新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部) |
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新規上場申請のための有価証券報告書(IIの部) | ||
新規上場申請のための四半期報告書 | ||
JASDAQ市場 | 新規上場申請のための有価証券報告書 | |
JASDAQ上場申請レポート | ||
新規上場申請のための四半期報告書 | ||
マザーズ市場 | 新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部) | |
新規上場申請者に係る各種説明資料 | ||
新規上場申請のための四半期報告書 | ||
札幌・名古屋・福岡各証券取引所共通 | 本則市場 | 上場申請のための有価証券報告書(Iの部) |
上場申請のための有価証券報告書(IIの部) | ||
上場申請のための四半期報告書 | ||
アンビシャス・セントレックス・Q-Board | 上場申請のための有価証券報告書(Iの部) |
新規上場をする際の公募・売出しにあたり、新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)は、金融庁に提出する有価証券届出書の様式に沿って作成します。
新規上場にあたり提出する有価証券届出書や上場後に提出しなければならない有価証券報告書、四半期報告書などの法定開示書類は、インターネットを通して金融庁に提出します。このときEDINET(金融庁が管理・運営している電子開示システム)で提出するためには、金融庁が定める制限事項に沿って提出用データを作成しなければなりません。
Iの部を作成するときからEDINETでの提出を考慮して作成することが望ましいです。
株式上場にあたって公募・売出しを行う際は、財務局などに有価証券届出書が提出されます。有価証券届出書は電子開示に対応させなければなりません。
公募・売出しについては、有価証券届出書を提出する1ヶ月~1ヶ月半前に、財務局などと事前相談をすることになります。このときドラフトを用意したうえで説明が必要になります。
なお、2013年9月より次世代EDINETの稼働が開始しており、XHTMLファイルにXBRLタグを埋め込んで提出するインラインXBRL方式が採用されています。
新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)は、最終的に有価証券届出書の記載内容と整合させ、証券取引所に提出する必要があるため、有価証券届出書の校了時点のデータを使用して記載内容を整合させたIの部の改訂版を作成します。
PDFデータも作成し納品します。これは取引所が上場承認日に取引所のホームページに掲載するために必要となります。
公募・売出し株式の勧誘の際、証券会社で使用される金融商品取引法上の勧誘文書を目論見書といい、有価証券届出書の記載内容を法令に則り記載することになります。投資者の理解を深めるため、カラーのグラフや製品写真など口絵を掲載するケースも多いです。
口絵の挿入は任意ですが、掲載する場合は事前相談で有価証券届出書本文のドラフトを提出する際、口絵のドラフトも提出しなければなりません。口絵の内容は有価証券届出書の記載内容に沿ったものでなければならず、逸脱していると法令違反となります。また、財務局との事前相談を終えたあとで口絵を大きく修正する場合は、再度了解を得る必要があることにも留意しておかなければなりません。
目論見書に使用するのは有価証券届出書の校了データになりますが、有価証券届出書に記載の「第一部企業情報 第3 その他記載事項」と「第三部特別情報」は不要であるため削除します。
有価証券届出書は、通常2回、訂正届出書を提出します。
発行価格のほかに記載不備や資料の更新などがある場合は、別途提出するケースもあります。有価証券届出書本体のページ数は100を超えますが、発行価格の訂正届出書などは10数ページです。また、電子提出をする分については、訂正前と訂正後の箇所を表示します。
有価証券届出書の訂正届出書を提出するにあたり、目論見書の訂正も行わなければなりません。これは訂正後のみの表示となるため、ページ数は訂正届出書の半分ほどになります。
大量保有報告書とは、大量保有者(発行済み株式に対する株式保有率が5%以上の者)となった日から5営業日以内に財務局に提出する書類のことです。大量保有者には、上場準備会社が株式を上場した段階で、当該企業のオーナーや取締役、親会社などで、当該株式(潜在株を含める)を5%超(議決権のない株式は除く)を保有している者が該当します。
株式保有率が5%を超えた日(上場日)のあとに保有率が1%に変わった場合、または、提出者の氏名・住所などが変更された場合や保有目的を変更した場合など、一定の事由が生じた場合は、変更報告書を電子提出する必要があります。
株式上場に際して、やるべき業務は多岐にわたります。
対応すべき事項は相当のボリュームになることも多く、解決までに時間を要する事が多くあります。
アガットコンサルティングが「株式上場準備」をお手伝いします。