ここでは電子開示の概要を説明します。
詳しくは各項目に記載したURLを参照してください。
上場にあたり提出する有価証券届出書、上場後に提出する四半期報告書、有価証券報告書、その他の法定開示書類は、EDINET(金融商品取引法では「開示電子情報処理組織」という)によって提出します。
以下は、EDINET利用時の留意点です。
EDINETは以下2つのサイトにより構成されています。
仕組みやマニュアルなど、EDINETの概要は「EDINET概要書」に詳細が記載されています。
なおEDINETで開示書類を提出するためには、ユーザIDとパスワードを取得する「提出者届出」が必要です。
従来は有価証券届出書、有価証券報告書、四半期報告書、半期報告書の財務諸表本表がXBRL(※)形式の対象範囲でしたが、現在はその対象範囲が62様式に増えており、内部統制報告書や臨時報告書もXBRL形式の対象となっています。
また、有価証券報告書に関しては、従来の財務諸表本表から、現在は注記も含めた全文がXBRLの対象範囲となっていることに考慮する必要があります。
※XBRLとは、財務情報等を効率的に作成・流通・利用できるよう、国際的に標準化されたコンピュータ言語です。XBRLでは財務報告の電子的雛型である「タクソノミ」を基に、財務報告内容そのものを表す「インスタンス」を作成します。(金融庁「2015年版EDINETタクソノミの公表について」)
XBRL形式の採用によって開示データをデータベースとして提供できるようになり、利用者の利便性は向上したと言えます。
ただし、データベースとして機能するためには、提出会社の勘定科目名の標準化が必要です。EDINETが用意しているタクソノミ(勘定科目名の基本辞書)があるので、これに基づき標準化を行います。タクソノミには勘定科目名のリストがあり、そこには3,000~4,000の勘定科目名が業種ごとに分類されています。
使用している科目名がリストにない場合は新規タクソノミとしてリストアップできますが、この場合、日本語に対応する英語の勘定科目名も作成しなければなりません。これは、XBRLを利用しているのが日本だけでなく、各国が会計処理や開示データに用いており、国際的な基本ルールとなっているためです。
まずは、現在使用している勘定科目がリストアップされているかを確認しなれければなりません。EDINETタクソノミと完全に一致する場合はそのまま使用できます。近似のものがある場合は、「勘定科目の取り扱いに関するガイドライン」に従い、EDINETタクソノミの勘定科目名を使用するか、それが不適当な場合は新規にリストアップを行います。また、近似したものもなく、まったく一致しない場合は新規にリストアップします。
会計上問題になり得る重大な違いがなければ、EDINETタクソノミに記載されている勘定科目を使用するのが基本です。
なお、リストにない場合だけでなく、以下に示す例のように、表記の揺れなどによってEDINETタクソノミと合致しない場合もあります。
例)
これらの勘定科目は同じ概念を表すものです。利用者にデータベースとして情報を提供するためには、EDINETタクソノミにリストアップされている「現金及び預金」を使用します。
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