IPOオンサイト支援サービス事例
お客様情報
マザーズ上場の情報・通信業。
主に情報セキュリティサービスの開発・販売を手がけている。
準備期間1年あまりで2015年下期に上場。
お客様が抱えていた課題
- 上場を目指すことが決まり、上場審査基準をクリアするレベルの内部統制と内部監査の整備・運用が必要になった。
- (知識面)専門知識がなかった。
- (人員面)対応できる人がいなかった。
- (時間面)早期に準備を進めなくてはいけなかった。
- 目標
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- 上場審査基準をクリアするレベルの内部統制と内部監査の整備・運用をすること。
- 社内にノウハウが蓄積されること。
- アガットコンサルティングが提案したサービス
- IPOオンサイト支援サービス 1.上場準備中…「業績」「管理」「開示」の仕組みづくり
上場準備中は、上場準備室などのポジションで、「業績」「管理」「開示」に関する株式上場に必須の組織体制を構築し、その仕組みやノウハウ等を管理部門を中心とする永続的な組織に移植していきます。
2.上場後…仕組み運用のモニタリングと改善提案
上場後は、内部監査室などのポジションで、必須とされている内部監査機能(J-SOX対応含む)を担いながら、経営管理組織全般の改善を積極的に行います。上場企業は、常に環境の変化等により、経営管理組織をモニタリングし、改善を行うPDCAサイクルを運用しなければなりません。
IPOオンサイト支援サービスの紹介
- 具体的な支援内容
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① 内部統制の整備・運用
【範囲】
全社統制・販売プロセス・購買プロセス・決算財務報告プロセス・IT統制
【内容】
- 業務フローの構築
- 業務記述書・業務フローチャート・RCM等の作成
- 業務マニュアルの整備・現場への指導・モニタリング
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② 内部監査の整備・運用
【範囲】
業務プロセスごと
【内容】
- 監査計画作成
- 監査実施の通知
- 監査実施
- 報告書および改善計画
- 改善指示および改善確認
お客様インタビュー
アガットコンサルティング(以下、AGT)のIPOオンサイト支援サービス(管理コンサルティング部分)を利用されているお客様に当サービスを利用するに至った経緯、実施内容、得られた効果などについてお話を伺いました。
- 何が決め手で本サービスを選ばれたのでしょうか?
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- 経営企画担当役員 IPOを目指すにあたり、AGTさんをご紹介いただきました。IPOを支援してくれるコンサル会社はたくさんありますが、単なるアドバイスで終わる会社や、人手を出してくれるのみでIPOの知識に乏しい会社もあるようでした。アドバイスだけでなく、内部に入り込んで一緒に手を動かしてくれるというオンサイト支援サービスは、なかなか他にないサービスだと思い興味を持ちました。弊社の場合、上場に向けてのビジネスモデルや業績については問題がありませんでしたが、まだ若い会社であり、急速に成長していたことから内部管理体制については整っていると言えない状態でした。上場準備業務を全て支援してもらうとなると相当なコストがかかりますが、このサービスは、弊社に足りないところに限定して支援してもらえるとのことでしたので、お願いすることにしました。
- プロジェクトにおいてAGTはどのように役に立ちましたか?
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- すべてのフェーズにおいて、ノウハウと経験、またそれらが凝縮したテンプレートをお持ちだったので、スピーディーかつ安心して任せることができました。 内部統制も内部監査も、基本的に計画・導入・評価の順で進めていきました。内部統制の場合は、
1. 計画フェーズ
社内体制を迅速に把握し、内部統制でカバーすべき範囲や金額的な重要性について、適切なアドバイスをしてもらえました。特に、基本計画書の作成にあたっては、AGTさんのテンプレートをもとにAGT担当者が弊社と役割分担をしてスムーズに作り上げることができました。
2. 導入フェーズ
いわゆる3点セット(フローチャート・業務記述書・RCM)の作成をサポートしてもらいました。現状のフローの無駄は改善し、不足している内部統制については盛り込むようアドバイスをいただきました。プロジェクトのスタートの段階で、担当者の方がヒアリング後すぐにフローチャートを作ってきてくれたので、「わかっているな」と全幅の信頼を寄せることができました。証券会社への説明も当該業務フローチャートを用いて行えました。そのフローにあわせて実際の承認プロセスなども確認・整備していくことができました。
3. 評価フェーズ
有効性の評価にあたっては、RCMの形式的なチェックにとどまらず、実質的な評価をしてもらいました。内部統制報告書の作成もテンプレートを用いることでそこまで時間をかけずに進めることができました。
- コミュニケーションをとりながら進めることで、勘所を教えてもらうことができました。そのうちに未経験の私でも次第にその勘所がわかってきて、スキルやノウハウが自分に蓄積されていくことを感じることができました。
- 「白は白、黒は黒」と杓子定規ではなく、グレーな部分の知識や交渉材料についても伝授してくれました。もちろん、弊社の業務内容をしっかり理解し、また、多くの経験に基づいた上でのお話です。きっちりやりすぎると業務遂行の効率性が損なわれてしまうことがあるので、そのバランスを教えてもらえるのは助かりました。
- 監査法人との話し合いの中でも、弊社のベースをわかった上で、交渉してもらえたのでやりやすかったです。問題意識を持って提案もしてくれました。例えば、反社チェックに時間をかけすぎていたので、「そこまでやる必要ではないですよ」とポイントをおさえたチェックシートを用意してくれました。証券会社や監査法人はあるべき論を教えてはくれますが、実際にどの程度までやればいいのかは教えてくれないので、AGTさんに教えてもらえて助かりました。
- すべてのフェーズにおいて、ノウハウと経験、またそれらが凝縮したテンプレートをお持ちだったので、スピーディーかつ安心して任せることができました。 内部統制も内部監査も、基本的に計画・導入・評価の順で進めていきました。内部統制の場合は、
- 担当者の対応はどうでしたか?
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レベルが高いと思います。会計士というバックグラウンドがあり、内部統制についてだけではなく実際に企業を上場させた経験がある方でした。その通りにやれば良いという安心感がありました。
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こちらからの問合せに対する回答も早くて助かりました。融通をきかせてもらっていたように思います。相談もしやすかったです。
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現場レベルでの提案が少ないことを相談したところ、「課長会という会議を作って、現場レベルでより具体的な意見を出せると良いですね」といったアドバイスをもらいました。審査で聞かれる法律情報等のキャッチアップについて、最新の会計情報を得るために必要なサイトなども教えてもらったりもしました。証券会社や監査法人に相談できないことも相談にのってもらいました。
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- 上場準備はスムーズに進みましたか?
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- 会社の急成長により、急遽上場を目指すことが決まったため、上場準備期間がとにかく短く、計画的に進める必要がありました。AGTさんがある程度スケジュールのコントロールをしてくれたので、管理部分についても当初の計画通りに進めることができました。途中で不安になって、「このスピードで間に合いますか?」と相談したこともありましたが、いつも、「大丈夫ですよ」と答えてくださったので、安心できたように思います。
- ちなみに、上場できた現在は、別の人間が内部監査を引き継いでいます。上場して終わりではなく、弊社にノウハウがたまっているのは大きな成果ですね。
- 上場後の具体的な依頼内容を教えてください。
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- 決算資料と有価証券報告書と決算短信のチェックをお願いしています。会社についてわかってくれているので、上場後の初の年度決算の時からお手伝いいただいています。
- 上場時は証券会社が決算資料をチェックしてくれますが、上場後は自社でチェックしなくてはならないので助かっています。
- 物の見方や、ロジックの組立て方なども教わっています。監査法人からの改善事項に対応しながら、決算業務の仕組化を進めています。
- 今後はAGTとどのように関わっていきたいですか?
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- 現在お願いしている部分はできるノウハウの移転が進んでいるのでできるだけ内製化していきたいと思っています。AGTさんには、自社で対応できない単発のプロジェクトをお願いしていきたいですね。先発ではなくリリーフとして。経理ソフトやERPについても詳しいと聞いていますので、システム導入の時などにもご相談したいです。
- 決算や経営企画の流れをより簡略化したいと思っています。これまでも属人化した経理処理について、完全提案をいただき効率化の支援をしていただいています。あと、予算の考え方もご指導いただきたいです。でも内製化していかないとですね(笑)
- 上場を目指されている会社様にメッセージをお願いします。
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- スタートアップの会社は、内部管理体制が弱いことが多いですよね。ビジネスの成長と関係ないように見えてしまうので、どうしても後回しになってしまいます。でも、そういったところも嫌がらずに前倒しで整備していくことがスムーズに上場するために大切になってくると思います。