届出
ファイナンスなどを行うに当たり、有価証券届出書あるいは有価証券通知書を所轄の財務局長に提出しなければならない場合があります。
届出制度の概略
届出制度の概略は以下のとおりとなっています。
有価証券通知書・届出書提出の要否(非開示会社の場合(※1))
区分 | 発行価額の総額 | ||
---|---|---|---|
1千万円以下 | 1千万円超~1億円未満 | 1億円以上 | |
募集(※2) | 不要 |
有価証券通知書 [府令第4条通知書] [特定府令第5条通知書] (法第4条第5項) |
有価証券届出書 (法第4条第1項) |
法:金融商品取引法 府令:企業内容等の開示に関する内閣府令 特定府令:特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令 |
- ※1 有価証券報告書を提出していない会社(提出免除の会社は除く)
- ※2 50名以上の者(原則、適格機関投資家(有価証券に対する投資に係る専門的知識および経験を有する者として内閣府令で定める者)は除く)を相手方として、新たに発行される有価証券の取得の申し込みの勧誘を行う場合(法第2条第2項各号に掲げる権利(第2項有価証券)については、その取得の申し込みの勧誘に応じることにより500名以上の者が所有することとなる場合)
「募集」と「私募」の分類基準
-
勧誘対象者数基準
勧誘対象者数基準による募集とは、多数の者(50名以上)に取得・勧誘を行うもののことです。50名未満のものを相手方として
勧誘する場合多数の者に譲渡される恐れが少ない 私募
(少人数私募)多数の者に譲渡される恐れがある 募集 50名以上のものを相手方として勧誘する場合 -
属性基準
50名以上の者に勧誘を行う場合でも、適格機関投資家に限定された場合(適格機関投資家以外の者に譲渡される恐れが少ない場合)は属性から私募に該当し、開示義務が免除されます。
通算規定
今回の発行が少人数向けの勧誘だとしても、過去6ヶ月以内に同一種類の有価証券について少人数私募の形態で発行が行われている場合、これらの勧誘対象者の人数を合算し、募集に該当するかを判断するものを「6ヶ月通算」と言います。
有価証券の発行される日以前6ヶ月以内に、その有価証券の取得勧誘を行う相手方(適格機関投資家は除く)の人数と、その6ヶ月以内に発行された同種の新規発行証券の取得勧誘を行った相手方(適格機関投資家を除く)の人数との合計が50名以上となる場合、有価証券の募集に該当します(金融商品取引法第2条第3項第2号ハ、施行令第1条の6)。
ただし、以下に示す有価証券は同種の新規発行証券から除外されます。
- 適格機関投資家私募に該当する有価証券
- 募集に該当し、届出あるいは発行登録追補書類の提出が行われた有価証券
同一の有価証券
同一の有価証券は、有価証券の発行者が同一で、以下に示した有価証券の区分に応じ、それぞれに定める事項が同一である有価証券を指します(定義府令第10の2)。
下記は、同一の有価証券の主なものです。
- 株券
-
- 株式に係る剰余金の配当
- 残余財産の分配、株式の買受け
- 議決権を行使することができる事項
- 新株予約権証券
-
- 新株予約権の行使により発行され、または移転される株式に係る剰余金の配当
- 同株式の残余財産の分配、株式の買受け
- 普通社債券
-
- 償還期限
- 利率(割引社債券の場合は償還制限のみ)
- 金額を表示する通貨
- 新株予約権付社債券
-
- 償還期限および利率
- 金額を表示する通貨
- 新株予約権の行使により発行され、または移転される株式1株の発行価額および株式に係る剰余金の配当
- 同株式の残余財産の分配、株式の引受け
- 同株式の議決権を行使することができる事項
- 他社株転売社債券
-
- 償還期限および利率
- 金額を表示する通貨
- 償還により発行され、または移転される株式に係る剰余金の配当
- 同株式の議決権を行使することができる事項
- 新株予約権など以外の権利の表された社債券
-
- 償還期限および利率
- 金額を表示する通貨
- 社債券に表示された権利の内容
IPO支援情報
- 第3章『上場の概要』
- 第4章『JASDAQ上場について』
- 第5章『マザーズ上場について』
- 第6章『株式上場関係書類について』
「CFO Library」でも、
IPOに関する最新情報やセミナー情報を紹介しています。