四半期報告書制度
四半期報告書制度は、流動性の高い金融商品に対する適時かつ迅速な企業業績等に係る投資情報の開示を確保することを目的としています。
提出義務
事業年度が3ヶ月を超える場合には、当該事業年度の期間を3ヶ月ごとに区分した期間ごとに四半期報告書を提出しなければなりません。ただし、当該事業年度の最後の期間(第4四半期)については、四半期報告書の提出は義務付けられていません。また、半期報告制度は四半期報告制度に統一されるため、中間期に当たる第2四半期は、半期報告書に代えて第2四半期報告書の提出が必要となります。
なお、任意で四半期報告書を提出した会社は、その後は引き続き四半期報告書を提出しなければならないものと考えられます。
記載内容
四半期報告書の記載内容は、開示府令の四半期報告書の様式(内国会社については第4号の3様式、外国会社については第9号の3様式)に定められています。
第一部 企業情報 |
第1 企業の情報 |
|
---|---|---|
第2 事業の状況 |
|
|
第3 提出会社の状況 |
|
|
第4 経理の状況 |
|
|
第二部 提出会社の保証会社等の情報 |
第1 保証会社情報 |
|
第2 保証会社以外の会社の情報 |
提出期限
四半期報告書の提出期限は、各四半期終了後45日以内に財務(支)局長に提出する必要があります。
また、新規に上場した会社の場合は、次の区分に応じます。
市場 | 東京証券取引所 | |||
---|---|---|---|---|
時期 | 一部・二部 | マザーズ | JASDAQ スタンダード |
JASDAQ グロース |
上場直前期 | 1Q、2Q、3Q | 提出不要 | ||
上場申請期 | 上場日が申請日の属する事業年度開始から
|
上場日が申請日の属する事業年度開始から
|
特例
四半期報告書提出義務者のうち次の特定事業を行う者については、第2四半期報告書において、四半期連結財務諸表に代えて、中間連結財務諸表及び中間財務諸表の開示が求められています(金商法第24条の4の7①、開示府令第17条の15②、開示府令第4号の3様式記載上の注意(30))。
これらの特定事業を行う者は、業法において、単体かつ半期ベースの自己資本比率に係る規制を受けていることを考慮されたものです。特定事業を行う者の四半期報告書の提出期限は、第1四半期報告書及び第3四半期報告書は45日以内、第2四半期報告書は60日以内とされています(金商法施行令第4条の2の10④)。
- ① 銀行法に定める銀行業(外国銀行が行う事業を除く)及び銀行持株会社が行う事業
- ② 保険業法に定める保険業(外国の保険会社が行う事業を除く)
- ③ 信用金庫法に定める事業(信金中央金庫が行う事業に限る)
写しの提出
四半期報告書(訂正四半期報告書を含む)の提出者は、その写しを上場証券取引所へ提出する必要があります(金商法第24条の4の7⑤、金商法施行令第4条の2の10⑥)。
訂正
四半期報告書の訂正は、有価証券報告書と同様に次の3つに分類することができます(金商法第24条の4の7④)。
- ① 訂正報告書の自発的提出
- 四半期報告書に記載事項の記載漏れ、記載不十分、重要な事項について虚偽記載等があるときは、発行会社は訂正報告書を内閣総理大臣に提出する必要があります(金商法第24条の4の7④で準用する法第7条)。
- ② 内閣総理大臣から形式不備等により提出命令のあった訂正報告書
- 内閣総理大臣は、四半期報告書に形式上の不備があるとき、記載すべき重要な事項の記載が不十分であると認めるときは、発行会社に対して訂正報告書の提出を命ずることができるとされています(金商法第24条の4の7④で準用する法第9条①)。
- ③ 内閣総理大臣から虚偽記載等により提出命令のあった訂正報告書
-
内閣総理大臣は、四半期報告書に重要な事項について虚偽の記載があるとき、記載すべき重要な事実の記載が欠けているときは、発行会社に対して訂正報告書の提出を命じることができることとされています(金商法第24条の4の7④で準用する法第10条①)。
なお、四半期報告書の虚偽記載については、有価証券報告書に重要な虚偽記載があった場合の有価証券届出書の相当期間の効力停止又は待機期間の延長といった行政処分(金商法第24条の3で準用する法第11条①)の規程の適用はないこととされています。
IPO支援情報
- 第3章『上場の概要』
- 第4章『JASDAQ上場について』
- 第5章『マザーズ上場について』
- 第6章『株式上場関係書類について』
「CFO Library」でも、
IPOに関する最新情報やセミナー情報を紹介しています。